クラウド化の意味するもの

いまさらながら「クラウド化」について考えてみたいと思います。

「クラウド化」とは、データを自分の手元から遠く離れたところに置いて操作することです。たとえば自宅のパソコン環境であれば、メールを自分のローカルPCに保存するのではなく、gmailを使ってgoogleのサーバ上で管理することを、「メールをクラウド化した」と言います。自分のスケジュールをgoogleカレンダーで管理するのもクラウド化です。会社であれば今まで社内のホストコンピュータ上で管理していたデータベースなどを社外のサーバに移して社内のPCから操作することを「社内システムをクラウド化した」と言います。

この「クラウド化」の長所、短所は以下の通りです。

【長所】

・どこからでもアクセス出来る。(インターネット環境に接続されたPCや携帯端末から)

・データ共有が簡単に出来る。(ここのURL見て!みたいな)

・コンピュータの面倒を自分以外の誰かが管理してくれる。(壊れても人のせいにできる)

【短所】

・インターネット接続出来ないとデータにアクセスできない。

・見知らぬ第三者にデータアクセスされる危険性が高まる。(インターネット接続前提のため)

・ASPなどを利用する場合、アプリケーションのカスタマイズが難しい。

・コンピュータを管理するのが好きな人はつまらない。

こう見てみると、「クラウド化」が本当に必要かどうかはとても疑問に思えてきます。そもそも「クラウド化」はgoogleが言い出した言葉であり、インターネット上でのサービスに強い企業が推進したいキーワードであるといえます。これと対比するのがmicrosoftやIBMになる訳ですが、こちらも最近はクラウド化に熱心です。

僕が思うにコンピュータの管理とかは面倒なので誰かに押し付けたほうが良いです。ただ現状のシステムを費用をかけてクラウド化することはナンセンスです。またこれからシステムを構築しようとするならば、コストを優先するならばクラウド化を前提にすべきです。今後は業界の方針でもある「クラウド化」が前提になると思いますが、IT技術者は「クラウド化」にあたって必要な知識(セキュリティ、ネットワーク技術、サーバ負荷軽減技術、各種ASPサービスの動向把握)を備える必要があるでしょう。

自分のような技術者にとってはこの「クラウド化」によって各企業の社内システムの開発・保守のお仕事を奪うチャンスであるといえます。なので「クラウド化」なんてどうでも良いんですが一応応援する立場をとっていこうと思う今日この頃です。

【追記】
写真共有サービスであるflickerで管理者が誤って利用者の過去の写真を削除してしまう事故がおきたそうです。バックアップは重要ですね。。
Flickr が人的ミスにより利用者アカウントを削除:5年間分、4,000枚の写真が消失